第3章瞬間的な力の発揮能力と最大筋力とは別ものである。 | S&Cスポーツ科学計測テクノロジー スポーツパフォーマンス分析

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2018.05.30コラム
第3章瞬間的な力の発揮能力と最大筋力とは別ものである。

スピード筋力トレーニングガイド:瞬間的な力の発揮能力と最大筋力とは別ものである。

第3章 瞬間的な力の発揮能力と最大筋力とは別ものである。

 爆発的筋力は瞬間的に大きな力を発揮する筋力特性を表現する一般的用語ですが、優れたスポーツパフォーマンスを発現させるための爆発的筋力をさらに詳しく分析するといくつかの重要な特性に着目することができます。その一つが、”RFD"(Rate of Force Development)と呼ばれる指標で、これまで日本の筋力トレーニングの文献ではほとんど目にすることがありませんでしたが、一応「筋力の立ち上がり率」と訳されています。しかし国際的には、いかに短い時間で、より大きな力に到達できるかという能力を示す重要なインデックスとして非常によく用いられています(図1)。

 

 RFDは、力を発揮し始めてから最初の0.1秒なら0.1秒の間にどれだけの筋力に到達するかという値や、単位時間ごとの筋力の立ち上がり(ΔF/Δt)を計測しその最大値(最大RFD)を求めるという方法によって測定されます。

 これこそが一瞬のスピードの差によって勝負がわかれるスポーツの筋力発揮において決め手となる重要な要素の一つなのです。

 最大筋力で劣っていてもRFDが大きければ瞬間的な力の発揮では勝てるのです。

 より大きなRFDを得るには、できるだけ多くのモーターユニット(運動神経細胞とそれが支配する筋線維のグループ)が瞬時に動員される必要があります。

 特に瞬間的に大きな力を発揮できる速筋線維中の速筋線維であるタイプⅡbの動員率が高くなる必要があります。しかもできるだけ高頻度のインパルスが発射され、タイミング良くそれらのモーターユニットが瞬時に同期して興奮することが条件となります。

 RFDと1RMはそれぞれ独立した別の能力です。特に動作開始直後の極めて短時間にどれだけ素早く力を立ち上げることができるかという初期RFDは最大筋力や1RMとの間に相関関係が示されないのが普通です。