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2018.05.30コラム
スポーツ科学とは?

「スポーツ科学」とは何でしょうか?

私たちはそれを単にスポーツに【ついての】科学でありさえすればよいのではなく、スポーツの【ための】科学でもありたいと考えます。すべての科学的研究の成果が常にすぐに何かのために役立つべきだとは言いませんが、スポーツの実践にできる限り直接的に貢献できるものでなければ、“遠い将来何かに役立つから”というだけでは「スポーツ科学」とは言えないと考えます。

 

バイオメカニクスや運動生理学の科学的認識を深化させるための手段として、スポーツという身体活動を用いるのを敢えて「身体運動科学」と呼ぶとすれば、さまざまなスポーツを行う選手や愛好家、指導者、そしてこうした人たちの活動を支える人々が直面する実践的課題をより効率よく確実に解決するために、バイオメカニクスや運動生理学の知識や科学的研究法を用いるのが「スポーツ科学」であると考えます。

 

世界の「スポーツ科学」は物凄いスピードで進んでいます。ですから、これからのスポーツやトレーニングの指導者は大学や専門学校で学んだ科学的指導法やトレーニング法を応用するだけではなく、現場でその効果を確かめたり、個々の選手に最も適した方法を探求したりしながら、より良い方法を独自に開発することが求められます。そのためには、かつて学んだ科学的知識を持っているだけでは不十分であり、現在進行形で新たな知識にアップデートし続けるための科学的データを収集する手法を使いこなすことが求められます。




一方、大学や研究機関の教育者や研究者が、研究成果をできるだけダイレクトに実践に活かすためには、これまで主流であったような条件統制をした実験室内の少数の被験者による短期間の実験結果の推計統計によって限定的結論を導くというスタイルだけではなく、積極的にフィールドに出向き、そこで日々生まれ蓄積されていくさまざまな事実から大量のデータを収集し、そこから個別具体的な法則性を確認したり思いがけない発見やアイデアを得たりするという新たな研究スタイルが求められています。




そのためには、実験室でしか使えない装置ではなく、意図的に現場の指導者が日々、課題解決のために用いるのと同様の装置を使った研究を進めることによって、現場の指導者が日々集積していく各データ間の関連やパフォーマンスにとっての意味といったより高度で幅広い知識を提供する研究成果が期待されます。

 

テクノロジーとアルゴリズムの進化によって、世界では極めて精度の高い信頼性と妥当性を兼ね備えたデータがフィールドで簡単に取得可能な機器が次々に開発されてきています。

 

このホームページで紹介する機器やさまざまな科学的手法が新たな時代のスポーツ科学と実践を創出していくための参考になればこれに勝る喜びはありません。

 

S&C株式会社 代表:長谷川 裕