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2018.05.30コラム
第6章 スピードを強調するのがスピード筋力。

スピード筋力トレーニングガイド:スピードを強調するのがスピード筋力

第6章 スピードを強調するのがスピード筋力。

 速度ゼロのアイソメトリクスや低速動作でさえスポーツにおいては素早い力の立ち上げが重要なのですから、動作そのものが極めて速いスピードで行われる多くのスポーツ動作においては、時間をかけた最大筋力への到達よりも、素早く力を立ち上げることがますます重要となります。

 さらに、それによって生み出される客観的な動作スピードそのものも明暗を分ける重要な能力要素となってきます。

 

 「スピード筋力」と言う概念はこうした高速運動において発揮される筋力特性を表現する概念です。爆発的筋力の1つとしてもともとヨーロッパで使われていましたが、最近では国際的にもスピードを強調した筋力を表現する言葉として使われるようになってきました。

本来、スピードと筋力は反比例の関係にあります。例えばベンチプレスで手になにも持たずに最大スピードで両手を突き上げたら、この時のスピードが最大となります。負荷はゼロです。逆に1RMのバーベルをもってなんとか挙上に成功したらこの時のスピードは最低でしょう。負荷は当然最大です。もっと重たいウエイトを持てばさらに大きな力が要りますが持ち上げることはできませんからスピードはゼロになります。つまりアイソメトリックです。

 では20kgシャフトだけのスピードを計ればどれくらいのスピードが出るでしょうか。次に30kgではどうでしょうか。40kgでは・・・。次々と10kgずつウエイトを増してそのスピードを測定していくと図2の実線ようなグラフが出来上がります。このグラフは「筋力-スピード曲線」と呼ばれています。傾きや形は人によって異なりますが、軽量で速く高重量で遅くなることは共通しています。

 このグラフの左側の部分は比較的軽量の抵抗に対する高速での運動が特徴です。逆に右側は比較的高重量で低速の運動となります。

 スピード筋力を高めるということはこのグラフのスピード成分を高めることを意味します。グラフの右端をさらに右に移動させることよりも、左端をさら上に延長させることがねらいです。特に中くらいから軽量部分そして無負荷におけるスピードの成分を上に引き上げることが主要な関心事となるわけです。

 最大筋力あるいは最大に近い力をじわじわと時間をかけて振り絞るのではなく、比較的軽い負荷に対して高速で力を発揮することがスピード筋力の特性です。