2018.05.30コラム
第7章スピードが低下しても向上するパワー。

スピード筋力トレーニングガイド:スピードが低下しても向上するパワー
第7章 スピードが低下しても向上するパワー。
スピード筋力トレーニングのねらいは、同じ力ならそれをより高速で発揮できるようにすることです。同じスピードなら、それをより大きな力で出せるようにすることです。ただしそれによってスピードが低下したら何にもなりません。あくまで高速、速いスピードでどれだけの負荷を動かせるかです。アメリカや日本ではスピード筋力と言う概念が普及する以前はパワーという物理学の概念が使われていました。今でもこちらの方が主流です。
パワーとは仕事率のことです。仕事率=仕事量÷時間ですから、力を発揮して外部抵抗を一定距離移動する仕事をどれだけの時間でやれるか、です。分子が同じなら、それに要する時間が短ければ短いほどこの値は大きくなります。
分子である仕事量=力×距離ですから、この距離と分母の時間との関係だけに着目すると、距離÷時間=速度になることに気付かれることでしょう。すると結局、仕事率=力×速度として表現されることになり、パワー=筋力×スピードとして表現できることになります。
これまでにもパワートレーニングという言葉を用いて、速くウエイトを上げるトレーニングが強調されてきました。またパワー向上のためにはクリーンやスナッチといったクイックリフトが重要であると強調されてきました。そして、スポーツパフォーマンスを向上させるためのウエイトトレーニングでは純粋な筋力だけではなく、スピードの要素も加味したパワーを高めることが重要であると説明されてきました。
このこと自体は決して間違いではありません。しかし、ただ結果としてアウトプットされるパワー出力を高めるだけなら、筋力とスピードのどちらを高めてもOKです。少々スピードが低下してもそれ以上に筋力をアップさせればよいのです。
しかし、スピード筋力はあくまでスピードを主体に考えます。
限界に近い高速動作の中で、いかにスピードを落とさずに発揮可能な力を高めるか。一瞬の限られた時間のなかで発揮できる力をいかに素早く立ち上げるか。自分の身体や手に持った道具、時には相手の身体など一定の重さの抵抗を移動させるスピードをいかに高めるかです。
パワーは筋力×スピードの積として、スピード筋力を評価するための極めて有効な指標として用いることができますが、パワーが大きければ全てよしと言うわけではないのです。常にスピードに目を向けておく必要があるのです。
第7章 スピードが低下しても向上するパワー。
スピード筋力トレーニングのねらいは、同じ力ならそれをより高速で発揮できるようにすることです。同じスピードなら、それをより大きな力で出せるようにすることです。ただしそれによってスピードが低下したら何にもなりません。あくまで高速、速いスピードでどれだけの負荷を動かせるかです。アメリカや日本ではスピード筋力と言う概念が普及する以前はパワーという物理学の概念が使われていました。今でもこちらの方が主流です。
パワーとは仕事率のことです。仕事率=仕事量÷時間ですから、力を発揮して外部抵抗を一定距離移動する仕事をどれだけの時間でやれるか、です。分子が同じなら、それに要する時間が短ければ短いほどこの値は大きくなります。
分子である仕事量=力×距離ですから、この距離と分母の時間との関係だけに着目すると、距離÷時間=速度になることに気付かれることでしょう。すると結局、仕事率=力×速度として表現されることになり、パワー=筋力×スピードとして表現できることになります。
これまでにもパワートレーニングという言葉を用いて、速くウエイトを上げるトレーニングが強調されてきました。またパワー向上のためにはクリーンやスナッチといったクイックリフトが重要であると強調されてきました。そして、スポーツパフォーマンスを向上させるためのウエイトトレーニングでは純粋な筋力だけではなく、スピードの要素も加味したパワーを高めることが重要であると説明されてきました。
このこと自体は決して間違いではありません。しかし、ただ結果としてアウトプットされるパワー出力を高めるだけなら、筋力とスピードのどちらを高めてもOKです。少々スピードが低下してもそれ以上に筋力をアップさせればよいのです。
しかし、スピード筋力はあくまでスピードを主体に考えます。
限界に近い高速動作の中で、いかにスピードを落とさずに発揮可能な力を高めるか。一瞬の限られた時間のなかで発揮できる力をいかに素早く立ち上げるか。自分の身体や手に持った道具、時には相手の身体など一定の重さの抵抗を移動させるスピードをいかに高めるかです。
パワーは筋力×スピードの積として、スピード筋力を評価するための極めて有効な指標として用いることができますが、パワーが大きければ全てよしと言うわけではないのです。常にスピードに目を向けておく必要があるのです。