第6章 フィットロダイン®を用いたスピード筋力トレーニングの可能性。 | S&Cスポーツ科学計測テクノロジー スポーツパフォーマンス分析

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2018.05.30コラム
第6章 フィットロダイン®を用いたスピード筋力トレーニングの可能性。

第6章 フィットロダインを用いたスピード筋力トレーニングの可能性。

 トレーニング動作やトレーニングレベルによっては、一般的な10RM×3セットというプログラムで、1RMの向上だけを目指すよりも、スピードに意識を向けてスピードのフィードバックを伴った集中的なスピード筋力トレーニングを行う方が総合的に優れたトレーニング効果を生む可能性があるかもしれません。

 

 フィードバック情報によってモチベーションが非常に高く保たれた選手が、最大限のスピードを出そうとして動作の開始時からウエイトを一気に加速させる努力を重ねた結果、10RMという負荷であってもそれを加速させるために極めて大きな力が発揮され、きわめて強度の高いトレーニングとなることが考えます。

 このようなトレーニングではタイプⅡ筋線維の動員をはじめ神経系に対する非常に高強度な刺激となり、RFDも著しく向上すると思われます。

 その結果、上の例で用いた特に動作初期にスティッキングポイントがあるベンチプレスのようなエクササイズでは、スティッキングポイントをクリアする能力がいつのまにか発達していたとみなすことができるのです。トレーニングでの使用重量のアップは3セット目で12回できてから、というルールでは、スピードを意識して行うトレーニングでは極度の疲労によりほとんど重量のアップは不可能ですが、実際に選手が発揮する筋力やRFDは向上していたと考えられるのです。

 

 こうしたことから、ストレングストレーニングにおけるプログラムデザインの一般的な基本とされてきたこれまでの手法や概念をもう一度見直し、スポーツパフォーマンスを向上させるためのスピード筋力の向上という視点から、より効果的なトレーニング法を開発していく必要があるといえるでしょう。トレーニングの現場で日常的に選手のトレーニング動作のスピードを測り選手にフィードバックし記録を付ける。スポーツパフォーマンス向上ためのストレングストレーニングやコンディショニングの未来に対して、このことが持つ可能性は極めて大きいように思えてなりません。

 フィットロダインを使ってトレーニングをしていた大学生投擲選手の次のような言葉は、スピードをフィードバックするウエイトトレーニングの効果を端的に示すものと言えるでしょう。

 「フィットロダインがセットされたパワーラックでスピードを測りながらスクワットする時は、もうパワーラックに入っただけで、スピードを測らない普通のスクワットをする時とは全く違うモードに気持ちがビシッとセットされますよ。これに慣れたらスピードを測らないスクワットをやっててもかえって不安になるんです。」