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2018.08.02コラム
ウエイトトレーニングにおける「総仕事量」について

今回はウェイトトレーニングにおける『総仕事量』についてお伝えいたします。

ウエイトトレーニングに限らず、トレーニング量を定量化することは、 過労を防ぎつつ最適なトレーニング負荷を計画する上で極めて重要です。
従来、ウエイトトレーニングにおける総仕事量の定量化には総挙上重量(重量×Rep×Set)が多く用いられてきました。例えば70 kgで10 Reps×4 Sets行った場合の総挙上重量は、2800kgになります。しかし、研究が進み、技術が進歩することで、トレーニング動作中の発揮速度や加速度などを計測することが簡単にできるようになったため、トレーニング量の定量化をより正確に行う事が可能となってきました。

添付の画像は、弊社のスタッフがバックスクワットを挙上速度0.6~0.7 m/s (70~75%1RM程の負荷)を目標にして踵が浮かないように全力で挙上した際のグラフです。
一つ目のグラフは挙上重量とコンセントリック局面における平均速度の変化を表したものです。
重量は4セットとも一定です。しかし、挙上速度は1~2レップ以降は徐々に低下しているのがわかります。挙上している重量は同じですが、速度が変わりますから、実際に発揮している力の大きさは異なります。

その結果仕事量がどうなったかを示したのが2つ目のグラフです。
総仕事量は筋力(N)×距離(m)で算出される力学的な仕事量(J)です。
1レップごとに発揮した力が異なり、動作範囲(距離)も微妙に異なる結果、レップごとの仕事量が変化していることが分かります。
つまり、持ち挙げる重さが一定であっても、挙上距離や実際に発揮した力の増減により、総仕事量は変化するのです。

従来は、このような数値を測定することが困難だったため、外的な負荷である挙上重量と総レップ数を元にトレーニング量を算出していました。しかし、PUSHやGymAwareのような簡易的にトレーニング中にアスリートが実際に発揮する力や動作範囲(距離)をモニタリングできるデバイスの普及により、上記のような、速度や仕事量などの力学的な力発揮を記録することができるようになりました。

発揮できる力は日によって変わるため、外的な負荷である挙上重量のみだけを見ていくことは、内的に発揮できる本来の筋力に関する能力の変化を見失うことになりかねません。

筋肥大、パワー向上、最大筋力、スピードアップ、筋持久力向上など 、ウエイトトレーニングの目的はいくつもあります。トレーニングの対象者もチームや個人によって異なり、初心者、一流競技者、高齢者など様々です。ですから、より質の高いトレーニング指導をするためには、教科書レベルの一般論ではなく、トレーニングデータを正確にモニタリングし、失敗を未然に防ぎ少しでも高い効果をあげるためには不可欠となるのです。『総仕事量』というのはそのための一つの重要な指標となります。

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